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高 等 部 専 攻 科

 

専 攻 科 新 着 情 報

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高 等 部 専 攻 科 の 概 要

 視覚に障がいのある方が、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格取得を目指す学科です。免許取得によって、自立と社会参加につながります。
あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうとは?
 あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうは、病気の治療や予防を目的として一定の術式に従って行われます。
●あん摩
手を用いて衣服の上から施術するのが特徴です。
●マッサージ
手を用いて皮膚に直接施術するのが特徴です。
●指圧
手を用いて衣服の上から体表の一定部位を押圧したり運動を行うのが特徴です。
●はり(鍼)
鍼を身体へ刺入・接触して機械刺激を与え、効果的な生体反応を起こすことを目的として行います。
●きゅう(灸)
艾(もぐさ)を燃焼又はそれに類する方法で温熱刺激を与え、効果的な生体反応を起すことを目的として行います。
 

1 設 置 学 科

●専攻科保健理療科(3年間)
あん摩マッサージ指圧師免許取得を目指す学科です。
●専攻科理療科(3年間)
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師免許取得を目指す学科です。
 

2 免 許 取 得 ま で の 流 れ

[1]修業年限
両科とも3年間です。
[2]国家試験受験
全ての課程を修了すると、国家試験の受験資格が得られます。
[3]免許取得
国家試験合格後、申請手続きを行うと厚生労働大臣より免許が交付されます。
 

3 入 学 基 準

特別支援学校の高等部または高等学校を卒業した(する)方、もしくはこれと同等以上の学力のある方
次のいずれかに該当する視覚障がいのある方
・視覚に関する『身体障害者手帳』をお持ちの方
・両眼の矯正視力がおおむね0.3未満の方
・「視野が狭い」「明るさにより見えにくい」などの方
 

4 入 学 時 な ど に 必 要 な 経 費

 入学金・授業料は必要ありません。
●入学時に必要な経費
◯保健理療科
男性約36,000円 / 女性 約35,000円
実技用白衣(上下2着)、マッサージ用具
◯理療科
男性約48,000円 / 女性 約47,000円
実技用白衣(上下2着)、はりきゅうマッサージの用具など
●各年次4月に必要な経費
約18,000円
PTA会費、文化体育振興会費、日本スポーツ振興センター掛金、藻朋会費
●給食費(月払い)
学校 約60,000円 / 寄宿舎 約200,000円全額負担の場合で年間
●実習にかかわる主な費用
◯理療科
1・2年次 約820円
鍼、消毒用エタノール、綿花など個人の練習量によって差があり、年間1万円分くらい使用する方もいます。
◯理療科・保健理療科
3年次 約8,000円
校外臨床実習(1泊宿泊代)

就学奨励費制度
 経済状況に応じて、給食費や通学費等、就学に必要な経費が助成される制度があります。入学が決まった後、市区町村が発行する前年度の課税所得証明書の学校への提出により、各年度の助成区分が決定されます。
奨学金制度
 経済的理由により学費負担が難しい場合、利用できる制度があります。詳しくは入学直後に紹介があります。
 

5 教 育 課 程

 保健理療科と理療科では、科目名や単位数が異なります。
●基礎分野
保健体育、キャリアデザイン等保健体育は週1回3年間あります。エアロビクスや視覚障がいを考慮した球技等を行います。キャリアデザインは効率的な学習法や専攻科修了後を見通して、職業自立に必要な自己理解、コミュニケーション法等を学びます。
●専門基礎分野
理療概論、解剖学、生理学、病理学、衛生学、臨床医学、リハビリテーション医学等
●専門分野
経絡経穴概論、東洋医学概論、理療臨床論、理療基礎実習、臨床実習等
1年生
 『理療概論』や『衛生学』で医療関係従事者としての一般常識を身につけます。
 『解剖学』や『生理学』で人体の構造と機能の基本を学び、『経絡経穴概論』で全身の『ツボ』を覚えます。
 『あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅう』の基礎的な実技練習を行います。
2年生
 『臨床医学総論・各論』、『病理学』で病気の特徴に関する知識を、『理療臨床論』ではあん摩、はり、きゅうでどのように治療を行うかを学びます。また『東洋医学概論』で東洋医学の基礎を学びます。
 後期からは『臨床実習』が始まり、教師の指導の下で一般の方に対してあん摩・はり・きゅうの施術を行い、実践力を身につけます。
3年生
 臨床実習を行いながら、予防医学の一端をになう『リハビリテーション医学』や開業に向けて必要な法律等の知識を学びます。
 解剖実習見学やリハビリテーション施設等の見学を行います。
 2月の国家試験に向けての総まとめを行います。
 

6 学 校 生 活 ( 日 課 )

 本校生徒として、日課や生徒心得を守って生活していただきます。
1校時 8:50~9:40
2校時 9:45~10:35
3校時 10:45~11:35
4校時 11:40~12:30
昼休み 12:30~13:15
5校時 13:15~14:05
6校時 14:10~15:00
前期、後期の2学期制で、筆記や実技の定期試験が年に4回(3年次は3回)あります。単位制ではありません。成績不振や長期欠席により、留年(原級留置)する場合もあります。藻朋会(そうほうかい)という生徒会活動、学校祭や遠足などの学校行事があります。昼食は学校給食となります。服装は極端に華美でなければ基本的に自由ですが、実習では制限があります。校内と寄宿舎を含む敷地内は、全面禁煙です。
 

7 国 家 試 験

●実施時期
2月下旬(年1回)
●実施機関
厚生労働省(公財)東洋療法研修試験財団
●内容及び出題形式
専攻科教育課程の専門基礎科目・専門科目・理論科目から四肢択一形式で出題されます。
●合格判定
正答率60%以上
●合格発表
3月下旬
●費用(1免許あたり)
受験料 14,400円
登録免許税・手数料 14,600円
金額は受験時に変更となる場合があります。
 

8 進 路

●就職
治療院、介護施設、在宅訪問マッサージ、ヘルスキーパーなど
●治療院開業
●進学
筑波大学理療科教員養成施設(理療科修了生のみ)、本校校理療科(保健理療科修了生のみ)、筑波技術大学
 

9 専 攻 科 へ の 受 検 手 続 き

●教育相談及び入学体験会教育相談を受けていただくことが必要です。毎年10月下旬頃に専攻科入学希望者を対象とした入学体験会を実施しています。是非ご参加ください。
●12月:募集案内、願書配布眼科診断書(もしくは身体障害者手帳の写し)、高等学校の調査書(卒業証明書)等が必要になります。
●1月中旬:出願締め切り
●1月下旬~2月上旬:入学選考検査日検査は調査書・志望理由書・面接等を総合的に判断して選考します。
●2月中旬:合格発表
●二次募集定員の状況により二次募集を行う場合があります。2月初旬にお問い合わせください。
教育相談担当
北海道札幌視覚支援学校 支援センター部
TEL:011-561-7107 / FAX:011-561-2423
 

10 修 了 生 の 声

令和元年度 専攻科修了生の声
「専攻科理療科での3年間を終えて」
 一般企業で20年間、事務職員として働いてきた私が、この学校への入学を決意するまで数年の時間を要しました。この歳で学生になり勉学についていけるだろうかという戸惑いや、この眼の病気になる前にはまったく目指すことも考えていなかった理療の世界に足を踏み入れるということに対して大きな不安がありました。しかし、次第に低下していく視力に不安を感じる中、悩んでいる時間があるならば、一つでもできることを増やそうと入学を決意しました。
 入学してみて驚いたことと、安心したこと。それは、他の学年と比べ、同学年の平均年齢の高さでした。3年間の日々を過ごしていく中で、同年代の人がいるという環境は、悩みを相談しやすい、恵まれた安心できる環境であり、勉強に専念することができました。
 しかし、思っていた以上に勉強は大変で、辛い時期もありましたが、先生方の的確なアドバイスと同級生の支えもあり、奮闘する毎日を乗り越えていくことができました。
 藻朋会(本校専攻科における生徒会の名称)活動では、皆で楽しんだボーリングや体育館でのカーリング、クイズ大会、全学年が揃ってとった昼食会、防災センターでの体験も貴重な思い出となりました。藻朋会役員としてこれらの活動に携われたことも良い思い出となりました。
 2年生になって臨床実習が始まり、最初は不安と緊張から話すこともできなかった患者さんとの会話も徐々に楽しめるようになりました。「楽になったよ。ありがとう。」という声をかけていただき、この学校に入学して良かったと心から思えるようになりました。
 入学前、考えもしなかった理療の世界でしたが、技術を身に付けることができたことに喜びを感じております。本校で学んだ知識と技術を大切に、この先も精進していきます。